インタビュー interview
「移住女子」の本音トーク。家族、友人、買い物…沖縄の暮らしを満喫するには——
移住の本音や実情を語り合う、恒例の座談会。今回は「女子会」です。20〜40代の女性3人に集まってもらい、家族や友人関係、買い物などの身近な話題を中心に、率直な思いを語ってもらいました。終始、笑い声の絶えなかった約1時間。どんな話で盛り上がったのでしょうか。
【参加者】
Yさん(システムエンジニア・40代・広島県出身)
Sさん(システムエンジニア・30代・鹿児島県出身)
Nさん(WEBデザイナー・20代・東京都出身)
旅行だけでは物足りない。いっそのこと、住んでしまおう
——まずは簡単な自己紹介から始めましょう。移住の経緯と、仕事の内容を教えてください。
Yさん
東京のソフトウェア開発会社で長く働き、2018年2月に沖縄に移住してきました。理由は、海です。沖縄の海で、ダイビングを満喫したかったんです。以前から、毎月のように沖縄に来て海に潜ってました。もういっそのこと沖縄に住んでしまえば、毎週のようにダイビングができる。そんな生活を夢見て、移住を決断しました。
沖縄で最初に勤めた会社では、生産管理システムの基本設計をメインに担当していました。その後、転職した会社はアジアトップクラスのIT企業を母体とするソフトウェア開発会社です。社員には外国人が多く、グローバルな雰囲気を味わいながら働いているところです。
Sさん
私は、夫が沖縄出身だったことが直接的なきっかけですね。結婚した後、2人で「いつか沖縄で暮らそう」と話していました。それが実現したのは、2016年のこと。「そろそろ帰ろう」と夫から提案されて、「いよいよだね」とすんなり決めましたね。
私自身は、九州の生まれです。大学を卒業した後、東京の金融系IT企業に入社しました。沖縄に来てからも、同じようにエンジニアとして働いています。今の会社は、利用ユーザー数が数万人に上る大規模な業務システムやWEBサービス、スマホアプリの開発など、様々なプロジェクトを手がけています。それと、海外の拠点にいるエンジニアとチームを組んで、英語を使いながら開発するスタイルも特徴的ですね。新しいことに挑戦できているので、とても刺激的です。
Nさん
私はWEBデザイナーをしています。主にデジタルコンテンツやWEBサイトの制作・運用などを行っているデジタルマーケティングの会社で、WEBサイトのデザインなどを担当しています。本社のある東京のメンバーと一緒に約30人のチームを組んで、大きなプロジェクトに携われるのが魅力ですね。
出身は東京です。海が好きだったので、沖縄には学生の頃から毎年のように旅行で来ていました。その頃から、将来は沖縄に住みたいと思ってたんです。自然を体一杯に感じられて、人も温かい。素敵な場所です。ただ、新卒でいきなり移住するのは不安だったので、まずは東京で就職してスキルを身につけてから、移住することにしました。3年ほど東京のWEBデザイン会社で働き、2018年3月に沖縄に来ました。
週末は海でダイビング。アジア旅行は短時間・低価格で
——みなさん、Uターンではなく移住されたわけですが、沖縄での生活には慣れましたか。
Yさん
そうですね。もうかれこれ20年近く沖縄にはダイビングで通っていたので、もともと生活面で大きな不安はありませんでした。実は、同じようにダイビングが趣味のパートナーが、私の2年ほど前に沖縄に移住してたんです。ですから、今は2人で毎週のように海へ出かけてます。何よりも、ダイビングを満喫できる生活が楽しくてしょうがないですよ。
Sさん
私ももう随分慣れましたね。もちろん、移住する前は不安もありましたよ。家族や友人となかなか会えなくなりますからね。でも、沖縄に来てからたくさんの新しい出会いに恵まれました。会社ではバーベキューなどのイベントがたくさんあるので、社員ともすぐ仲良くなれましたし、社員のご家族とも知り合えたりして。夫の親族のみなさんも親切ですし、人間関係には恵まれました。
Nさん
私は、最初はむしろ不安だらけでした。初めての一人暮らしで、家族や友人もいない。そんな場所で、楽しく生活できるのかと。でも、今は「行ってしまえばどうにかなる」ことを実感する日々です。移住後は、沖縄出身の大学時代の友人を通じて、どんどん友人の輪が広がっています。社内にも私のような移住者が多くいるので、プライベートでも仲が良く心強い存在です。
——休日はどのように過ごしているのでしょう。
Nさん
やっぱり一番は、海ですね。シュノーケリングをしたり、浜辺でのんびりしたり。最高ですよ。東京ではどこへ行っても人が多くて、ふと気がつくと浪費してしまっている。そんな感覚がありましたが、沖縄は人混みも少ないですし、海で1日中遊んでいてもほとんどお金はかかりませんからね。とても快適ですよ。
Yさん
私も海ですね。自宅から車で15分の場所にあるダイビングスポットをはじめ、この夏は真栄田岬や万座(いずれも恩納村)などによく行きましたね。早朝に出発して、朝からずっと潜ってますよ。東京にいた頃は、よく行っていた伊豆(静岡)まで車で3〜4時間かかってましたから、雲泥の差です。しかも、温暖な沖縄ならオールシーズン潜れますからね。
Sさん
私は、カフェでゆっくりしたり、イベントやフェスに出かけたりしてますね。それ自体は以前とあまり変わらないんですが、今まで以上に自分の時間をうまくつくれるようになった気がします。というのも、カフェではよく英語の勉強をしてるんです。仕事で英語のコミュニケーションが必要だからです。こっちに来てから心にゆとりができた分、自己投資に費やす時間が増えたように感じます。
あとは、海外旅行によく出かけるようになりましたね。台湾や韓国、ベトナム、シンガポールなど、6カ国くらいかな。例えば、台湾までは飛行機で1.5時間、LCC(格安航空会社)なら破格の値段で行けます。沖縄に来てからは海外との距離がぐっと近くなり、気軽に遊びに行けるようになりました。
野菜が意外と高い? でも、近所から採れたて野菜をおすそ分け
——充実した日々を過ごしているようですが、日常生活で困ったり、不便に感じたりすることはないんでしょうか。
Yさん
もちろん、それは少なからずありますよ。例えば、病院や薬局です。東京では、オフィスビルに小さなクリニックや調剤薬局があるケースが多いですよね。体調が悪いときでも、通勤途中にふらっと立ち寄って薬をもらうことができる。でも、こっちに移住したばかりの頃は、近所や職場の近くにどんな病院や薬局があるのか。探すのに苦労しましたね。
それと、靴の修理です。つい先日、履いていたヒールが壊れてしまって。こんなとき、東京なら駅の構内にお店があって、その場で少し待てば直してもらえますよね。沖縄にも駅とかにてっきりあると思ったら、ないんですよ。大きな商業施設にあるのを見つけて、行ってみたら「いったんお預かります」と。夜8時くらいでした。修理スタッフがすでに勤務を終えてたようなんです。あのときは、少しがっくりきましたね(笑)
あと、去年初めて大きな台風がありましたよね。あれは怖かった。潮風のせいで、ベランダは潮まみれ。自転車もあっという間に錆びてしまいました。
Sさん
沖縄は台風がよく上陸するし、高いビルなど遮るものが少ないから、その分もろに直撃するような感覚がありますよね。
台風が迫ってきたときは、うちの会社はパソコンを持ち帰るようにと指示があるんです。翌日、交通機関がストップした場合に自宅で仕事ができるようにするためです。停電も怖いですから、自宅では日頃から水やカップラーメンなどを常備するなど、最低限の備えはしてますね。
Nさん
台風が来ると、野菜の値段も跳ね上がりますよね。この前なんて、キャベツが400円くらいもしたんです。台風のときは物流が滞りがちになるので、価格が一気に上がったり、売り切れが続出します。
Yさん
ほんと、そうですよね。野菜で思い出したことがあります。ぬか漬けが食べたくなって、スーパーでキュウリを買おうと思ったら、宮崎県産のキュウリが2本で160円だったかな。高いんですよ。
Sさん
輸送費がかかるからですかね。他県産の食材は高いですよね。私はちょうどこの前、東京に行ってたんですが、スーパーの野菜の安さに驚きましたね。沖縄まで買って帰ろうかと思ったくらいです(笑)
——逆に「これはいつも食卓にある」といった沖縄ならではの安い食材はどうでしょう。
Yさん
夏はエンサイ(空芯菜)という葉野菜をよく食べます。調理も簡単。中華風に軽く炒めるだけで、おいしくでき上がります。
あと、「モーウィ」と呼ばれる沖縄の伝統野菜もいいですよ。別名で「赤瓜」と言われる、冬瓜のような野菜ですね。ただ、1つが大きいからなかなか食べきれないんですよ。でもこの前、ある道の駅で地元のおばちゃんと半分に分けて買ったことがあったんです。もちろん、お金も半分ずつ。「大きいですよね」「そうね、半分に分ける?」みたいな会話をして、お店の人に事情を話したら、半分に切って渡してくれたんです。たまたま近くにいた、知らないおばちゃんですよ。東京ではきっとありえない光景ですよね。でも、沖縄ならそんなことも許される。
Sさん
それはいいですね。私もこれから、スーパーとかで近くにいるおばちゃんに声かけてみようかな(笑)
沖縄は、人がオープンですよね。東京だと電車に乗っていても、お互い他人のことは知らんぷり。でも、こっちでは電車に乗っていると、知らない人同士がおしゃべりしたりしてる。人と人との距離が近くて、心地いいですよね。
Nさん
ほんと、そう思います。私も仲良くなった近所のおじいやおばあから、ときどき畑で採れた野菜を分けてもらったりしてますよ。ありがたいですし、温かい気持ちになりますよね。
収入は減っても、生活は快適。その理由は…
——収入についてもお聞きします。移住前と比べて変化はありましたか。家計のやりくりはどんな状況でしょう。
Sさん
私の場合は、収入はあまり変わりませんでしたね。新卒で入った東京の会社は、結婚を機に数年で辞めました。ですから、まだ昇給額が少ない状態だったんです。今はスキルも知識もついてきたので、そこを会社にも評価してもらい、むしろ東京時代より増えているくらいです。
Nさん
私は2〜3割減りましたね。残業が多くなれば、以前と同じくらいの額になるイメージです。ただ、生活が苦しい感覚はありません。
Yさん
私はそれ以上減りましたね(笑)。東京では勤続年数が長かったので、今思えばいい待遇を受けてたんだと思います。最初は「どうしよう…」と思いましたが、Nさんと同じように生活は十分できています。
それはなぜか。1つは、飲み会がかなり減ったからです。沖縄は車社会なので、「仕事帰りにとりあえず一杯」みたいな機会が少ないんですよ。逆に今思えば、東京では必要以上に飲みに行ってたのかもしれませんね。それと、以前東京から沖縄に頻繁に遊びに来ていたときの交通費や宿泊費が、全くかからなくなったのも大きいですね。
Sさん
確かに、移住するまでは沖縄の人たちはお酒が大好きな印象がありました。もちろん、楽しくお酒を飲むことは大好きな人たちだけど、車通勤の人が多いから仕事帰りに飲みに行くことはあまりないですよね。
家計のやりくりでいうと、私自身はいい意味で物欲が薄れましたね。昔は新しいモノが発売されたら、すぐに欲しがるようなタイプの人間でした。話題になっている化粧品や、かわいい洋服は「すぐ試したい」と衝動買いするような。東京はモノに溢れてるから、ついつい買ってしまいがちになるけど、沖縄ではそれがなくなりましたね。「別にいいかな」「今で十分楽しい」と、ポジティブな感覚に変わっていきました。
——さきほど「野菜が高い」なんて話がありましたが、移住前後で出費が増えたものはありますか。
Nさん
車関係ですかね。ガソリン代とか、修理代とか。決して高いわけではないけど、東京では必要なかった出費ですからね。でも、通勤電車の定期代と比べたら、結局それほど変わらないのかもしれないですね。通勤のガソリン代などは、会社が負担してくれますから。車がある分、気軽にいろんな場所に遊びに行けるメリットもあります。
Sさん
家賃が安いイメージがあるかもしれないけど、そこは要注意かもしれないですね。場所や間取りによって、大きく違うからです。那覇の中心地の家賃は想像以上に高いですし、車が必要なら駐車場代もかかりますしね。ただ、那覇から少し離れれば一気に安くなったりするケースもあると思います。
Nさん
まさに私の家がそうだと思います。那覇から南東へ車で30分ほどの南城市で、2台分の駐車場がある家に暮らしています。1人ではもったいないくらいの広さです。那覇から少し離れれば、安い物件は見つかるはずですよ。離れているといっても、私の場合は車があれば那覇をはじめ十分いろんな場所に遊びに行ける距離感です。不便には思わないですね。
Yさん
そういう意味では、計画的に家を探すのがオススメですね。沖縄に初めて暮らす場合は、最初は那覇など便利なところがいいかもしれません。東京など都会の便利な場所から移住する場合は特に、大きなギャップを感じる可能性があります。那覇以外でも、例えば浦添市や宜野湾市には大型商業施設があって、基本的にそこに行けば何でも揃ってます。そのあたりを、事前に調べておくとよさそうですね。
子育て、キャリアアップ…将来の選択肢の幅が広がった
——最後に、これからどんな風に過ごしていきたいか。今思い描いている理想の暮らしと、仕事の目標を聞かせてください。
Sさん
「これ!」という具体的なプランはないんです。でも、将来の選択肢がすごく広がりましたね。沖縄に来る前は、自分自身の生活や仕事で精一杯だったけど、今は「何年後こうしたいな」なんて将来のことを、夫と一緒にゆっくり考える時間が増えたと思います。夫は宮古島の出身なので、将来は「そっちに移って暮らすのもいいよね」なんて話したり、いろんな道を考えられるようになりました。
子供の話もそうです。それまではあまり子育ての話はしてなかったけど、お互い仕事も生活も落ち着いてきたので、「そろそろいいかもね」なんて話しているところです。
仕事では、プロジェクトをマネジメントできるようになりたいですね。子供を産んでも、”ママ社員”としてキャリアアップしていきたい思いも強くあります。
Yさん
私は転職してまた心機一転、新たなスタートを切ったところです。まずは今の会社の仕事に早く慣れて、これまでのキャリアで培った知識や経験を生かして、会社に貢献したいですね。
それと、最近は平屋に住むのもいいなと思ってるんです。今は賃貸のマンションですが、もっとゆったり開放的に過ごせそうな気がして。できれば海のすぐそばで、きれいな夕日も一望できる場所だったら最高ですね。
Nさん
実は、私も平屋に興味があるんです。レトロな外観の外人住宅で、海を眺めながらのんびり過ごせたら。そんな憧れがあります。いつか叶えたいですね。
仕事では、将来的にはアートディレクターになるのが目標です。チームを束ねるポジションで、プロジェクトをガンガン動かしていく。そんな風になりたいですね。
ーーみなさん、これからも沖縄での生活を楽しんでください。今日はありがとうございました!
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