インタビュー interview

【ヴィッツ沖縄】「海の近くで暮らしたい」。移住してスキューバダイビングのインストラクターに。そして、再びエンジニアへ

「海の近くで暮らしたい」。そんな思いを抱き続け、大阪から念願だった沖縄への移住を果たした人がいます。株式会社ヴィッツ沖縄(那覇市)に今年4月に入社した、奥村浩一さんです。実は、移住後の2年間はスキューバダイビングのインストラクターとして働いた経歴の持ち主。そして、再びエンジニア職として新たなスタートを切りました。「心と時間に余裕ができた」という沖縄での暮らしについて聞きました。

株式会社ヴィッツ沖縄 第二開発室 グループリーダー

奥村浩一さん

大阪府出身。地元の大学を卒業後、府内の車載系メーカーに技術者として新卒入社。車載・家電製品などのハードウェア・ソフトウェア設計開発に10年間従事。2016年春に沖縄にIターンし、スキューバダイビングのインストラクターとして2年間働く。その後半年ほど奄美群島の徳之島で過ごし、2019年4月にヴィッツ沖縄に入社。

エンジニアとしてのキャリア

適性があったのかもしれない



実はもともと、エンジニア職に強いこだわりがあったわけではありません。大学では電気電子工学を専攻していましたが、それも高校時代に物理系の勉強が得意だったから、という理由でした。ただ、これはのちにわかったことですが、新卒で入社した会社の適性テストを受けたら、いい点数がとれたんですよね。結果的には、エンジニアのような設計・開発業務に適性があったんでしょうね。

新卒で技術者として入社した車載系メーカーは、大阪で開催された大規模な就活セミナーで見つけて、縁あって採用してもらうことになりました。車関係の部品や家電製品のシステムなどを開発する仕事で、大学で勉強していたことに似ていたことが大きかったですね。



社会人の壁。“我慢した10年”



その会社には、10年間在籍しました。今思うと、“我慢した10年”という感じでしたね(笑)。やっぱり、いくら似ているとはいっても大学で学ぶことと、社会に出てそれを活かすことには大きなギャップがあって。当たり前のことかもしれませんが、特に入社したばかりの頃は通用しないことがけっこうあって、大変でした。

当時は、インバーターやコンバーターと言われる、電気を変換する装置の開発部門に在籍していました。例えば、太陽光発電パネルで得られた電力を、実際に家庭の中で使用できるように変換したり。そうしたハードウェア・ソフトウェアの設計・開発の仕事です。お客さんの依頼を受けて開発するというよりも、自社で独自に開発するようなプロダクトアウト型だったので、開発期間も長く、毎日夜遅くまで働いてましたね。



Iターンの経緯

いつかは海辺に住みたくて



一度は海に近いところで暮らしてみたい。これが、移住を決めた大きな理由です。学生の頃にスキューバダイビングにのめり込んで、よく海に出かけていました。いろんな場所でダイビングをしているうちに、そういう思いが湧き上がってきたんです。

社会人になって忙しい中でも、海には潜ってました。例えば、和歌山や福井の日本海沿いにある若狭湾とか。でも、大阪からだと移動に片道2〜3時間かかり、その道中でちょっと遊んだりする時間もあるので、ダイビングしている時間は限られてしまって。しかも、朝6時集合、夜8時解散という感じで丸一日費やすことになるので、体力的にも疲れるんですよね。

海辺の町といっても、なぜ沖縄だったのか。移住する前から沖縄の海には何度も行ってましたが、何と言ってもやっぱり海がきれいですし、水温も高いので年中潜っていられるのがいいですよね。和歌山あたりも年中潜ることはできるんですが、時期によってやっぱり寒くて、それでも潜るには根性が必要なんですよ。

ですから、社会人1年目のときから「将来は沖縄へ行こう」と漠然と考えてたんです。セブ島(フィリピン)などの海外も考えたんですが、語学の問題がありますし、沖縄なら家族や友人とも会いやすいかなと。それで、10年という区切りで思い切って仕事をやめることにしました。





ダイビングインストラクターの道へ



当時32歳。沖縄では最初、スキューバダイビングのインンストラクターになりました。不安はありましたよ。これまでの仕事とは畑違いで、キャリアも途切れるわけですからね。のちのちどうなるのかな、と。金銭面も心配で、実際に給料は半分以下に激減しました。それに、大阪に比べて食費が意外と高いんですよね。これは予想外でした。そうやって不安を抱えながらも、2年間なんとか生活をやりくりしていました。

その後、実はヴィッツ沖縄に入る前に、半年ほど離島で暮らす期間があったんです。奄美群島(鹿児島県)の徳之島です。学生時代によく潜りに行っていた場所で、せっかくだからそこにも住んでみたいなと。その期間は、ホテルの従業員をしていました。トータル約2年半。生活は大変でしたが、今振り返ってみてもすごく楽しかったですし、あっという間の2年半でしたね。



現在の会社と仕事

将来を見据え、再びIT系企業へ



沖縄と徳之島で過ごした期間を経て、ヴィッツ沖縄に入社することになります。今年1月に大阪で開催された「ITキャリア沖縄」の移住転職イベントを知人に紹介され、参加してみたのがきっかけです。

大阪を2年半ほど離れてみて、それほど寂しさは感じなかったんですよね。大阪でずっと暮らしていたわけですが、地元の友人は近くにいても、意外と頻繁に会うわけではないんですよね。盆や正月などに帰省すれば、会えますし。だったら、自分の住みたいところに住もう、と。収入を含めた将来のこと、それとインストラクターなどを経験してみて、やっぱり自分には開発の仕事が向いてるな、という思いもあって。それで沖縄のIT系企業を探そうと思ったんです。

ただ、ITと一口いっても今まで関わっていない分野も多々あるので、これまでの経験を生かせそうな会社に絞っていきました。年齢を考えると、全く知識のない分野でゼロからスタートするのは不安でしたから。そんな条件にマッチして、入社したのがヴィッツ沖縄ということになります。



ヴィッツ沖縄は、設立3年目の新しい会社です。主な事業内容は、組み込みソフトウェアの開発・検証(車載機器、工作機械等の画面実装/デジタル家電の開発・検証)、組み込みセキュリティ検証、自動運転の研究開発です。このうち、僕は工作機械のソフトウェア設計・開発の仕事を担当しています。

沖縄には、拠点が2つあります。僕がいる工作機械を扱う那覇の本社オフィスのほかに、うるま市の事業所ではカーナビなどを担当しています。社員はエンジニアを中心に17人で、沖縄出身の人もいれば、僕のような移住組もいますね。



Iターン後に生まれた変化

心と時間に余裕ができた



そうして再びIT系企業で働くことになったわけですが、とても働きやすくて居心地がいいですね。

大阪で働いてた頃は終電帰りはしょっちゅうで、徹夜することもありましたし、とにかく働きづめでした。なかなか自分のプライベートな時間が持てませんでした。でも、ここは働く環境がしっかり整っています。親会社の株式会社ヴィッツ(本社:名古屋市)は東証マザーズ上場企業です。安心して働けるのは魅力ですし、ありがたいですね。仕事以外のプライベートな時間をゆったり過ごせるようになりましたよ。

社内の雰囲気もオープンで、和気あいあいとしていて居心地がいいですよ。大阪時代は他の社員も激務で疲れ切ってたので、なんだか社内もどんよりとした雰囲気だったんですよ。社外の付き合いも全くありませんでした。そのときと比べると、大きな差ですね。

収入も、ダイビングのインストラクターをしていたときから倍近くに増えました。生活もそうですが、将来のことを考えると、精神的にも安心して暮らすことができるようになりました。仕事も生活も、心と時間に余裕ができたのは大きいですね。

休日はダイビング仲間と海に潜る



僕は昔から寒さが苦手だったので、大阪では冬になると家にこもりがちだったんですよ。ただ、沖縄は冬でも暖かくて、夏も大阪に比べたら随分と涼しく感じます。住環境はすばらしいと思いますね。

もちろん、スキューバダイビングは今も続けていて、月に3〜4回は海に潜ってますね。オススメは、本島なら恩納村ですね。国内屈指のリゾート地で、ダイビングスポットが数え切れないほどあります。離島もどこもオススメです。海は透き通っていて、沖縄ならではの海水魚を見られるのは、やっぱり最高ですね。

ダイビング仲間もいます。実は、移住してから半年ほどは友人ができなかったんです。インストラクターの仕事は休みが不定期でしたし、なかなか知り合いをつくるような機会がなくて。ただ、徐々に海でダイビング好きの人と知り合ったり、同じアパートに住む人と交流がもてるようになりました。ダイビング仲間は沖縄出身の人もいますし、僕のように移住した人もいます。共通の趣味でつながれる仲間がいるのは、いいですよね。



今後の目標、UIターン転職者へ一言

一歩踏み出せば、道は拓ける



まだ入社して数カ月なので、まずは早く仕事に慣れて、ゆくゆくは会社を引っ張っていけるようになりたいですね。年齢的にも経験値としても、会社からそういうことを期待されていると思っています。仕事の面では、それが当面の目標です。

生活面では、あまりがっちりと先々のことを考えているわけではありません。ひとまず、自然に身を任せながら考えていきますよ。これから長く沖縄にいるつもりなので、せっかくですからもっといろんな遊びや趣味に挑戦したい気持ちもあります。

まさに僕がそうだったように、たとえ知り合いがいなくても、なんとかなる。そう考えることができれば、移住や転職はそんなに悩む必要ないのではないか。僕個人は、そんな風に思っています。もし一歩踏み出せず悩んでいるなら、思い切って挑戦してみたら、何か道が拓けると思いますよ。

ヴィッツ沖縄は、これからどんどん成長していこうという新しい会社です。AIや自動運転など先進的な研究開発にも取り組んでますし、ぜひ僕らと一緒に沖縄で成長していきましょう。


●【NEWS】移住イベント@渋谷に、株式会社ヴィッツ沖縄が出展します!イベントの詳細はこちらにてご確認ください。

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