インタビュー interview
【fluct】月300億のリクエストをさばく。広告配信のエンジニアが沖縄に来た理由、そして思い描く未来は──
株式会社VOYAGE GROUP(東京)の連結子会社で、広告配信プラットフォーム事業を展開する株式会社fluct(同)は、2018年12月に沖縄支社(那覇市)を開設。現在、人材採用を積極的に進め、これから本格的にサービス強化に乗り出そうとしています。ここに、沖縄出身の妻と一緒に東京からIターンしたのが、エンジニアの井手上雅迪(まさみち)さんです。Iターンまでの道のりと思い、そしてfluctが沖縄で描くビジョンを聞きました。
株式会社fluct エンジニア
井手上雅迪さん
宮崎県出身。県内の高専、新潟県の長岡科学技術大学を卒業後、2013年春に株式会社VOYAGE GROUPに新卒で入社。子会社の株式会社fluctに出向し、その後約5年間、インターネット広告配信に関するデータ解析、システム開発に従事。2018年に沖縄へIターンし、沖縄支社に勤務。宜野湾市在住、沖縄出身の妻と2人暮らし。
これまでのキャリアと、Iターンの経緯
宮崎、新潟、東京を渡り歩き…
小さい頃からパソコンに触れる機会があり、将来は漠然とエンジニアになりたい。そう思って、まずは地元の高専に入学しました。その後、新潟県にある長岡技術科学大学に進学しました。高専の授業で興味をもった自然言語処理の研究をしたかったからです。大学在学中は、主に機械翻訳について勉強しました。日本語を入力したら、英語に翻訳される機能などの研究です。
その後、その研究を活かせるWEB系の会社に就職しようと、VOYAGE GROUPに入社しました。VOYAGE GROUPは数多くの子会社を抱えています。その1つで、インターネット広告配信事業を手がけるfluctに出向の形式で配属されました。
沖縄出身の妻が帰郷。自身も移住し、リモートワーク
沖縄にIターンすることになった直接的なきっかけは、妻が沖縄で仕事をすることになったことです。沖縄出身の妻は当時、私と同じように都内に暮らし、データ解析系のIT企業に勤めていたのですが、子会社が沖縄に設立され、そこで働くことになったんです。妻にとって故郷の沖縄で働くことは、本人が強く望んでいたことでした。
そこで、私も沖縄で働こうという思いが芽生えてきました。そのことを会社に相談したら、例外的に沖縄でのリモートワークを認めてもらい、2018年春に移住することになりました。
ただ、当初はリモートで働いていたのですが、「せっかく沖縄にいるなら、現地で優秀な人材を採用できるといいね」などと社長と話し合ううちに、支社を構えることになりました。東京でもエンジニアをはじめとする人材採用は強化しているのですが、沖縄でもUIターンを含めて人材を積極的に採用する。それが、支社を立ち上げた最大の目的です。
現在の会社と仕事
「SSP」で国内トップクラスの実績
fluctは「メディアの成長を共創する」をミッションに据え、インターネット広告の配信システム事業を手がけています。広告枠を提供するメディア・媒体の収益を最大化させるための配信ツール「SSP」(Supply-Side Platform)を開発し、この分野では国内トップクラスの規模と実績があります。
私たちは、WEBメディア上に広告が表示されるときに、どの広告を表示すればメディア、また広告主にとって収益を最大化させられるか。アドネットワークのレポートや広告配信ログなどのデータを分析しながら、最適な広告配信を行う仕組みを考え、それをシステムに設計・実装しています。
メディアからは、毎月300億を超える大量のリクエストが届きます。パソコンやスマホ、また動画やバナー広告など、あらゆるデバイスやフォーマット、配信方法の中から1つずつ、広告との最適な組み合わせを導き出すのです。広告配信の醍醐味は、膨大なデータを分析し大量の広告をさばくことと、めまぐるしく変化するインターネット広告市場のダイナミズムを体感できることです。
同時に、SSPはメディアの収益を支える大事なサービスの1つです。つまり、インターネットの市場を活性化させるためのサービスをつくっている。私たちには、そういう自負があります。これもまた、大きなやりがいを感じられる要素の1つになっています。
「一緒に成長したい」。熱い思いを大事に
fluct(沖縄支社)に入社いただいた場合、仕事としては私と一緒に配信ログなどのデータを解析しながら、ベストな配信方法を考え、それを実際に実装していくことになります。現在は、広告の最適化に関する機能の考案と開発を担当する「データエンジニア」と、配信システム事業を支える業務系システムの開発・運用を担う「ソフトウェアエンジニア」の2つの職種で人材を募集しています。
もちろん、すでにデータ解析や広告配信に関する知識や技術をもっていれば理想的ですが、最初はスキルがなくても、入社後に習得していただければ全く問題ありません。むしろ一番大事なのは、「私たちと一緒に成長したい」「サービスを向上させたい」という思いです。私たちは、真面目で熱心な思いを大切にしています。
fluctは2008年の設立から10年が過ぎましたが、この間売上げは急拡大し、年商は100億円を超えています。SSPというビジネスにおいて、私たちは国内屈指の知見をもっています。広告配信事業を行う企業は沖縄県内にもありますが、SSPを扱っているのは珍しいはずです。大量のリクエストやデータをさばいたり、広告市場のダイナミズムの中で、メディアを支えてインターネット市場を成長させる。そういった醍醐味を味わえる環境があります。
Iターン後の生活・コミュニティ
「沖縄・宜野湾エンジニア勉強会」を主催
沖縄出身の妻と一緒とはいえ、私個人はこれまで沖縄に縁もゆかりもなかったので、移住する前は友人や知り合いができるかどうか、不安もありました。ですが、県内に数多くあるエンジニアのコミュニティに積極的に顔を出したりするうちに、徐々に知り合いが増えていきましたね。
そんな中、今度は私自身がエンジニアの交流場所として「沖縄・宜野湾エンジニア勉強会」を立ち上げました。特定の技術的なテーマに絞らず、趣味でやっていることや最近始めたこと、学校や仕事で勉強したことなど、いろんな人たちが集まり、気軽にエンジニアリングの話をする場をつくりたい。そういう思いから、主催しています。コミュニケーションを取る場として間口を広くしたことで、結果的に県外からのUIターン者や学生などを含め、多くの人が参加してくれるコミュニティになっています。私自身も、この勉強会で多くの友人ができました。
知らない土地で生きる自信がもてた
Iターンする前は東京、しかも渋谷近辺に住んでいたんですが、生活はそれほど変わっていないというのが実感ですね。
私は飲み歩くのが好きなんですが、今暮らしている宜野湾市も、自宅から徒歩圏内に飲食できる店は結構ありますし、買い物も不便はありません。実は東京にいる頃はペーパードライバーだったんですが、沖縄に来てからは運転にも少しずつ慣れてきて、今は車で出かけることも少なくありません。もともとアウトドア系の遊びや趣味は好きですので、海をはじめ自然豊かな沖縄で、これから新しい遊びや趣味にも挑戦したいですね。
東京での生活が決して嫌だったわけではないのですが、沖縄に来るにあたっては、違う場所で働き、生活することも人生において1つのチャレンジかな、という思いがありました。ここでは仕事、生活とも快適で、知らない土地で働く自信がもてましたね。
今後のビジョンと、後輩たちへのメッセージ
「360°スゴイ」を沖縄でも実現させたい
支社を開設したばかりのfluctとしては、これからどんどん仲間を増やし、エンジニアや他の職種も含めて、まずは1つの「沖縄チーム」をつくり上げることが目標です。そのうえで、将来的には沖縄支社のチームで新しいサービスを開発したいとも考えています。
VOYAGE GROUPは経営理念の中で「360°スゴイ」という標語を掲げ、創業時から大事にしてきました。これは、1つの事業・サービスにとどまらず、「世界を変えるようなスゴイこと」を多方面で展開していくという考え方です。その考えのもと、グループは広告配信や人材採用サービスなど、数多くの子会社を抱え、様々な事業を手がけています。その1つになるような事業・サービスを、沖縄のチームで実現させたいと思っています。
エンジニアのコミュニティから、交友関係を広げよう
私が当初そうだったように、特にIターンの人で沖縄に接点がない場合は、友人や知り合いがつくれるか、不安に感じると思います。ただ、沖縄にはエンジニアのコミュニティがたくさんありますので、そういったコミュニティにどんどん参加してみてください。もしそういう場に行くことが苦手な人でも、まずは私が主催する「沖縄・宜野湾エンジニア勉強会」に一緒に行きましょう。交友関係が広がり、充実した生活ができると思いますよ。
●【NEWS】移住イベント@渋谷に、fluctが出展します!イベントの詳細はこちらにてご確認ください。
株式会社fluctの求人情報を見る
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